Return to site

STORY インストラクターになるまで:
仲井果菜子編(2)

大きな一歩 〜目標のために「自分で動く」〜
インストラクターで養成チームリーダーの仲井果菜子(個人ブログ『へそnet.』)です。この記事の前編はこちら→STORY インストラクターになるまで:仲井果菜子編(1)
さてさて、意気込んでBONITA通信(吉岡マコインストラクターの手描きニューズレター)やブログを読み漁り、その頃、自費出版されていた冊子を取り寄せ、近所のホームセンターでバランスボールを購入した。…ものの、はてさて、そこからどうしたらいいものか。その頃はオンライン受講もありませんでしたし、マドレボニータの書籍もDVD教材も出版されていませんでした。ブログに出てくる「ボールエクササイズ」とやらをしてみたくても、一体どういう風に使っているのかすらわからず、上に座ってみたり、寝そべってみたり(!)。そもそも、最初に購入したバランスボール、ツボ押しのためのトゲがいっぱいついてましたからね。上に座って弾むと痛いっつーの(笑)。
そんなとき、なんと同じ熊本で、マドレボニータの活動に共感し、地方での講座開催のアプローチをマコ先生にかけている女性(Aさん)がいることを知りました。早速その方の連絡先を教えていただき、熱いメールを交換した…まではいいものの、Aさんは非常に多忙で、待てども待てども、「マコ先生を熊本に承知する話」が進みません。振り返ってみると、私もまだ産後でボケーっとしていたんだなあと思います。自分が動きたくてウズウズしながらも、自分が先に動いてしまうと、Aさんの活動を途中で「横取り」するようで悪いと思ってしまい、数ヶ月もじっと受け身で待ってしまったのですから。今の自分なら、「横取りしちゃ悪い」ではなく、「ともに行動することで支えになろう」という発想になるだろうと思います。
そんな折、マコ先生から「福岡でもマドレボニータに共感してくれている人がいる」ということで、Sさんという女性を紹介していただきました。このSさんは人情味あふれるてきぱきした方で、メールでやりとりするうちに、「仲井さんがやりたいのであれば、Aさんに遠慮することなく、行動を起こしていいと思うよ」「忙しいAさんも、そのほうが助かるだろうし、嫌な風には思わないはずだよ」と後押ししていただきました。そして私は、「マコ先生を熊本に招致する件」に関して、自分が音頭をとることに決めたのでした。それは、自分の中に長年しみついた「誰かがお膳立てしてくれるのを待つ」という受け身の姿勢から、できるのを待つのではなく、自分が動けばいいんだ!」という取りに行く姿勢へと、一歩前進した瞬間だったのかな、と思います。
自分の住む地域での仲間づくり
さて、Sさんとのメールでのやりとりを通じて、「福岡・熊本合同のイベントにしよう!」ということが決定。2005年3月に、マドレボニータin九州と題して、土曜に福岡で午前・午後の2講座、日曜に熊本で午前・午後の2講座を開催。今考えると、講師のマコ先生にとっては超ハードスケジュールですよね…。笑顔で引き受けてくれたこと、今更ながら感謝です。
この講座を開催するにあたっての私たちのゴールはひとつ。「九州にマドレボニータのムーブメントを起こし、地域での仲間づくりのきっかけとすること」でした。そしてその延長線上に、インストラクターになるというもっと大きな目標がありました。
当時の養成コースは東京都内のみで開催。飛行機や新幹線を使って「通い」で参加することも、絶対に不可能とは言えないものの、まあ難しい。マコ先生からはやりとりのたびに何度も、「東京に行く前に、まずは自分の住んでいる地域で仲間づくりをすることが大切だ」という話を聞いていました。長期的に見たとき、身近に同士やサポーターの存在なくしては、インストラクターになるという夢は実現不可能。またインストラクターになってからも、産後クラスを開催するのは自分の住む地域になります。自分の今いる地域で、同じ志を持った女性、マドレボニータのコンセプトに共感し、活動を応援してくれる人たちに出会っていくこと、またインストラクターになるまでの道のりを支え合える仲間、一緒に体を動かせる仲間を地元につくること。これは、当時よりも養成コースの仕組みが整い、全国どこにいてもインストラクターになるまでの道のりを歩むことが可能となった今でも、同じぐらい必要なことだと言えるのではないかと思います。講座を開催する前の段階から、こうした「地域での仲間づくり」を見据えた上でのアドバイスをもらったことは、その後の展開を決定づけるという意味で、とても大きかったです。
さて、このお話は2005年の頃。そこから10年後の今、マドレボニータはNPO法人化し、会員制度も設立されました。当時と違って、今は「マドレボニータのことをもっと知りたい」「産後ケア普及のために力になりたい」と思った時には、まず会員として参画するという方法があります。会員になると継続的にマドレボニータの最新情報が送られてきますし、それらを受けとるだけでなく、自分が参画できそうな活動に参加する、マドレボニータ界隈に集まる素敵な人、面白い人たちと知りあい交流する・仲間をつくる、といった展開もあります。10年前の自分からしてみれば、「なんとも羨ましい!」状況で、今のように本やDVDといったデータがすぐ手に入っていれば、あのトゲトゲボールの上で弾んでお尻痛いみたいなことも避けられたかなと思います(笑)。でもよく考えてみると、当時はブログぐらいしか情報が得られなかったからこそ、余計に渇望感が生まれ、「マドレに共感して一緒に活動してくれる、生身の人と出会いたい!」という、仲間づくりへの強い欲求が生まれたのかもしれないですね!